- カオパットとは
- カオパットの本格的な作り方
- カオパット【19種】紹介
この記事では上記のことについて解説していきます。
カオパットとは【タイ風チャーハン】のことです。日本人にとって最も食べやすいタイ料理の一つ。
タイ米が苦手な方は、タイ料理屋でご飯の代わりとして頼むことも多いのではないでしょうか。(僕自身がタイに住み始めた頃の話です。)
タイ食堂でよくある基本のカオパットは以下の通り。
- カオパットカイ→玉子チャーハン
- カオパットムー→豚肉チャーハン
- カオパットガイ→鶏肉チャーハン
- カオパットクン→海老チャーハン
- カオパットプー→蟹チャーハン
- カオパットタレー→シーフードチャーハン
タイ食堂には必ずメニューに載っていて、どこでも食べられるタイ料理です。しかし実はこの他にもまだまだたくさんの種類のカオパットが存在します。
記事前半ではカオパットの基本情報や作り方を紹介。
後半では少し珍しいカオパットの種類を紹介していきます。
中華チャーハンと同じだと思っている方は、ぜひ記事を最後まで読んでみてください。きっとカオパット愛が深まると思います。
それではいきましょう!!!
タイ料理【カオパット】タイ風チャーハンの基本解説
カタカナ表記 | カオパット・カオパッ・カーオパット |
---|---|
タイ語 | ข้าวผัด |
辛さ | 0 |
クセ | なし |
カオパットとは
- カオ(カーオ)→ご飯
- パット→炒める
カオパットとは【タイ風チャーハン】のことです。
辛くなく、パクチーも使用しませんので、タイ料理が苦手な方でも美味しく食べられます。
タイ料理が苦手な方は、とりあえずカオパットを頼んでおけばいいかもしれませんね。
タイおかず料理ともよく合いますし、子供でも食べやすいのでオススメです。
タイ米は日本の米と違い粘りが少なく、炒める際にパラパラしやすいのでチャーハンにピッタリです。
強い火力が必要で、素早く炒めて作るという点では中華チャーハンと変わりありませんが、調味料や具材が中華チャーハンとは違ってきます。
- 中華チャーハンと同じ点:作り方
- 中華チャーハンとの相違点:調味料や具材
添えられる食材・食べ方
カオパットの提供時に添えられる食材と調味料は以下の通りです。
- マナオ→ライム(1/4〜半個)
- トンホームタイ→葉ネギ(添える場合は小口切りにしない)
- ナンプラー→タイの魚醤(唐辛子が浸かっている店もある)
- テンクワー→きゅうり
カオパットはマナオやナンプラーを添えて提供されることがほとんどです。
この点も中華チャーハンとは違う点となります。
そしてカオパットを食べている途中でワケギをかじったりもします。ワケギは食休め的な役割もあるのでしょう。
別皿時のナンプラーは唐辛子漬けのナンプラーの店が多いです。
そして、マナオ、ナンプラーを最初からかける人もいれば、後半の味変としてかける方もいてそれぞれ好みとなります。
ただしナンプラーは塩っぱいので、かけすぎにご注意ください。
カオパットの本格レシピと作り方
食材
カオパットの基本となる食材は以下の通りです。
- ご飯(もちろんタイ米)
- ニンニクみじん切り
- 卵
- メインの食材(豚肉や鶏肉など)
- ワケギ(小口切りまたは切らないで添える)
もし、メインの食材(肉類)がない場合は、カオパットカイ(玉子チャーハン)となります。
調味料
カオパットの基本となる調味料は以下の通りです。
- ナンプラー→タイ魚醤
- シーユーカオ→タイ醤油
- シーズニングソース→タイ出汁醤油
- ナムターン→砂糖
- グルア→塩
シーズニングソースは、ダシ醤油と砂糖に味の素を合わせて代用できます。
中華チャーハンではあまり使用しない砂糖が、カオパットでは多く使用されます。
甘いカオパットが多いのは、ただ単に砂糖が入っているだけです。味付けは好みなので、砂糖を入れなくても問題ありません。
ナンプラーは味付けに使用しますが、別皿でも提供します。
本調理
カオパットの調理過程は以下のようになります。
- 素早く炒める為に、全ての分量を量って用意しておきます。
- フライパンを十分に熱します。
- ニンニクみじん切りを炒め始めます。
- メイン具材(豚肉や鶏肉)に入れます。(本調理前に別で火を入れておいてもいい)
- 溶き卵を入れます。
- ご飯を入れます。
- ワケギ(みじん切り)を入れます。
- 味付けします。
- 皿に盛り、葉ネギとマナオにナンプラーを添えて完成です。
基本的なカオパットの作り方は、ほぼ中華チャーハンと同じです。
もちろん、お店によっては違う店もありますので、あくまでも基本の参考までに。
タイ料理【カオパット】の種類
基本の種類
まずはタイ料理屋でよくある基本のカオパットから紹介していきます。
タイ食堂ならばどの店にも用意されている基本のカオパットは以下の通りです。
- カオパットカイ→玉子チャーハン
- カオパットムー→豚肉チャーハン
- カオパットガイ→鶏肉チャーハン
- カオパットクン→海老チャーハン
- カオパットプー→蟹チャーハン
- カオパットタレー→海鮮(イカ+海老)チャーハン
メイン食材の基本は、どのタイ食堂も大体同じです。
ただし、調味料の分量だったり、作り手の技量で店によって味が変わってきます。
店によってはデフォルトでトマトやカナー(カイラン菜)を入れる店もあったりします。
カナーが入っていると食感が、トマトが入ると旨みがそれぞれ追加されます。
ちょっと珍しいカオパット
カオパットサイウア
- サイウア→タイ北部ソーセージ
サイウアと呼ばれるタイ北部ソーセージが入ったカオパットです。
ただ単にカオパットにサイウアが乗っているだけではないのが、カオパットサイウアの美味しいお店の特徴。
炒められたご飯にも、みじん切りにされたサイウアが混ざっています。
カオパット全体にサイウアの味がしみわたっています。
通常のタイ料理屋ではあまり見かけないのが、本当に残念なくらい美味しいです。
皆さんがもし見つけた際には、ぜひお試しいただきたいオススメのカオパットです。
ちなみにサイウアが少し辛いので、珍しい辛いカオパットとなります。
カオクルックガパオ
- カオ(カーオ)→ご飯
- クルック→混ぜる
- ガパオ→ホーリーバジル
見た目はカオパットなのですが、風味や味が少し違います。
パットガパオ(ガパオライス)をそのまんまカオパットにしたという料理です。
「カオクルックガパオ」と呼びます。というか、なぜ名前に「カオパット」とついてないのか不思議です。
ただお店によっては「カオパットガパオ」としているところもあります。もしかするともうどっちでもいいのかもしれません。タイらしいといえばタイらしいです。
ガパオと違うところはご飯も一緒に強火で炒めるので、ご飯が香ばしくなっているという事です。
ついでに、すでに混ざっているので食べやすくなっています。ちなみに通常のガパオライスに比べて、やや乾燥気味です。
カオパットナムプリックパオ
- ナムプリックパオ→チリインオイル
ナムプリックパオとはタイのチリインオイルのこと。
タイのチリインオイルは、干しエビや野菜の旨みが凝縮されたタイの万能調味料です。
日本食でも使えそうなくらいバランスの良い日本人好みの調味料です。
カオパットに使用すると、干しエビと野菜の旨味がカオパット全体に追加されるイメージです。
タイらしい味ながら、日本人にも食べやすい味なのでオススメのカオパットです。
ちなみにナムプリックというのは【タイ風ディップ】のことを指します。
カオパットトムヤム
カオパットトムヤムとは、トムヤムテイストのカオパットのことです。
カオパットトムヤムはメイン具材によって名前が変わります。
- 鶏肉→カオパットトムヤムガイ
- 海老→カオパットトムヤムクン
- シーフード→カオパットトムヤムタレー
トムヤムテイストなのでタイハーブと酸味が入ります。
カオパットでは珍しく辛いので、辛いのが苦手な方は注意です。
トムヤムテイストに欠かせない基本食材はこちらです。
- バイマックルー→コブミカンの葉
- カー→タイ生姜(ナンキョウ)
- タクライ→レモングラス
- マナオ→タイライム
- プリック→唐辛子
炒めて火を入れる分、マナオの酸味が少し飛びます。酸味は後から追加マナオ(ライム)を絞って調節しましょう。
メニューにない店も多いので、もしタイ食堂で見つけたら注文してみてください。
カオパットカナープラーケム
- カナー→カイラン菜
- プラー→魚
- ケム→塩っぱい
- プラーケム→魚の塩漬け(この料理の場合は鰆【サワラ】)
パットカナープラーケムというカイラン菜とプラーケムを炒めた料理をそのままカオパットにしたもの。
タイ食堂のカオパットは砂糖が入っていて、少し甘いことが多いです。しかしカオパットプラーケムは塩分も多めとなります。(ナンプラーのかけすぎ注意です。)
単調な食感になりがちなカオパットですが、アクセントとしてカナーがいい役割をしています。
カオパットサップパーロット
- サップパーロット→パイナップル
カオパットサップパーロットとは、【タイ風パイナップル炒飯】となります。
日本人観光客にはまぁまぁ知られていますが、意外とタイ人が知らないカオパットです。
タイ人には知られていなく、マイナーなカオパットですが一応、紹介しておきます。
カオパットサップパーロットは、基本的にタイ食堂にはあまりありません。
ホテルや中・高級タイ料理レストラン、または観光客向けのレストランによくあります。
パイナップルの酸味の入ったカオパットなので、酢豚にパイナップルが嫌いな方は要注意です。
パイナップルの器で写真映りがいいので、タイ旅行の際に見かけたら一度は試してみてはいかがでしょうか。
ちなみに簡単にカオパットサップパーロットが作れるシーズニングパウダーもあります。
興味のある方はタイ旅行の際、スーパーで探してみてください。
カオパットポンカリー
- ポン→粉
- カリー→カレー
カオパットポンカリーは、単純にカレー粉を合わせたカオパットです。
メインの具材は、豚肉や鶏肉と何でも可能です。
カオパットネーム
- ネーム→タイ風発酵豚肉ソーセージ
タイの食材「ネーム」を具材にしたカオパットです。ネームとは、豚肉を発酵させて作られたソーセージのこと。
ネームの酸味が強く、ご飯がよく合います。いつものカオパットに飽きてしまったら、たまにはいいかもしれません。
個人的な意見を言わせてもらうと、タイの野菜炒め系の料理と合わせて食べるのがオススメです。逆にトムヤム系の酸味の強いスープとは合いませんでした。
ネーム自体が酸っぱいことが原因だと思います。
カオパットゲーンキアオワーン
- ゲーンキアオワーン→グリーンカレー
ゲーンキアオワーンとはいわゆる【グリーンカレー】のことです。
グリーンカレーの味がしっかりします。タイハーブが苦手な方、または辛いのが苦手な方は避けたほうがいいでしょう。
通常のカオパットよりも水っぽくなりますが、タイ米なので問題ありません。
使用する具材はグリーンカレーに似ていて、例えば
- プリック→唐辛子
- ホーラパー→スイートバジル
- バイマックルー→コブミカンの葉
などのハーブが入ることが多いです。
カオパットクンチアン
- クンチアン→中国の甘いソーセージ
クンチアンとは、中国の甘いソーセージのことです。
かなり甘いソーセージなので苦手な方も多い印象。
マナオ(タイライム)を絞りかけると少し雰囲気が変わります。
その他
これまで紹介してきた以外にも様々なカオパットが存在します。
全部を紹介しきれませんが、その一部を紹介いたします。
- カオパットアメリカン(アメリカ風カオパット)
- カオパットマンサビラ(菜食カオパット)
- カオパットジャカパット(豆とクンチアンソーセージカオパット)
他にもまだまだありますので、見つけた際はぜひトライしてみてください。
タイ料理【カオパット】のまとめ
カオパットと中華チャーハンの違いは、調味料や具材にあります。
本質的な作り方は同じなのが面白いですよね。
さすが陸続きの国同士ならではの食文化です。
カオパットは具材を変えれば、何でもカオパットになる料理。(何でもあり感も若干ありますが。)
まぁ、でもそこは中華チャーハンも日本の炊き込みご飯も一緒ですよね。
自宅でぜひオリジナルのカオパットを作ってみてはいかがでしょうか。