- ゲーンキアオワーンとは
- 自家製グリーンカレーペーストのレシピと作り方
- グリーンカレーの本格レシピと作り方
- グリーンカレー関連料理
この記事では上記のことを解説していきます。
ゲーンキアオワーンは、いわゆる【グリーンカレー】のことです。
皆さんご存知、グリーンカレーは日本でも非常に有名なタイ料理となります。
そしてトップクラスに辛くて、クセの強いタイカレーの一つ。
個人的にはあまりタイ料理を食べたことがない方は、最初に手を出す料理ではないと思っています。
実は日本人にも食べやすい(と思われる)タイカレーは別にあります。
タイ在住8年の経験とタイ人から受け継いだ情報を元に、グリーンカレーの全てをここに書いてみようと思います。
この記事前半ではグリーンカレーの基本解説。
後半では自家製グリーンカレーペーストのレシピと作り方を紹介していきます。
自家製グリーンカレーペーストだけ知りたい方も、全部読んでみるとレシピをより理解しやすいのではないかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
それではいきましょう!!!
【ゲーンキアオワーン】グリーンカレーの基本解説
タイ語 | แกงเขียวหวาน |
---|---|
辛さ | |
パクチー | あり(パクチーの根+コリアンダーシード) |
【ゲーンキアオワーン】グリーンカレーとは
- ゲーン→タイカレー・煮込み料理全般
- キアオ→緑
- ワーン→甘い
ゲーンキアオワーンとは、いわゆる【グリーンカレー】のことです。
ハーブを主体にした最もタイらしいタイカレー。
そしてタイカレーの中でも群を抜いて辛いです。
さらにさらに、とにかくクセが強いです。
そのため、好きな人はとことん好きですが、嫌いな方は「もう一生食べることがないかも」となってしまうくらい賛否両論な料理。
僕自身、友達が初めてタイ料理を食べるという場合には、あまりお勧めできません。
この記事では深掘りしませんが、タイカレーは他にも種類があり、もっと食べやすいタイカレーがいくつかあるんです。
さてここから先は、グリーンカレーのハーブや具材について細かく書いていこうと思います。
マニアックな方、タイ料理ガチ勢は、少し頑張ってついてきてください。
具材
肉類
グリーンカレーのメイン食材に使用される肉類は、以下のようなものがあります。
- ムー→豚肉
- ガイ→鶏肉
- ヌア→牛肉
日本で一番有名なのは、鶏肉をメイン食材と使用したゲーンキアオワーンガイですね。
ちなみに部位はどこを使用しても構いませんが、鶏もも肉か鶏胸肉を使用することが多いようです。
- サポークガイ→もも肉(上部)
- オークガイ→胸肉
ティンガイ(鶏の脚)やルアットガイ(鶏の血をプリン状に固めたもの)を使う場合もあります。
その場合、「ゲーンキアオワーンガイカノムチーン」となる場合が多いです。(後述)
ハーブ・野菜類
グリーンカレーには、ある程度決まった野菜やハーブ類が使用されます。
- プリックチーファー→大ぶりの唐辛子で辛さは控えめ(基本は赤色で飾り用)
- プリックキーヌー→小ぶりの唐辛子で辛さはかなり強め(基本は緑で辛さ担当)
- ホーラパー→スイートバジル(ホーリーバジルではないですよ)
- バイマックルー→コブミカンの葉(基本、固いので食べません)
- マクアプアン→すずめ茄子(グリンピースくらいの大きさでプチンと食感)
- マクアポ(マクアプロ)→タイ茄子(3cm角くらいの茄子です)
もちろんここで紹介する基本食材に様々な食材を足して作ることもあります。
その他野菜・具材
タイの家庭、屋台や飲食店では、先ほど紹介した基本食材に、あとは何でも食材を足してグリーンカレーを作ります。
例えば、
- ファック→冬瓜
- パッカーカーオ→白菜
- ルークチン→練り物ボール
料理なので別に何を入れてもいいと思いますが、食感の良い食材が多いかな、という印象です。
ココナッツミルク
- ガティ→ココナッツミルク
- ホアガティ→濃いココナッツミルク
- ハンガティ→薄いココナッツミルク
グリーンカレーにおいて、ココナッツミルクは非常に重要です。
ホアガティという濃いココナッツミルクですが、脂が豊富なココナッツミルクと捉えてください。
ホアガティを鍋で炒めて分離させ、グリーンカレーペーストとなじませます。
すると、完成時に緑色の油がスープに浮くんですね。
なぜこれが重要かというと、タイでは緑色の油がしっかり浮いている方が美味しく見えると言われているためです。
ハンガティ(薄いココナッツミルク)はホアガティの下にあり、食材を煮込むために使用されます。(サラサラなココナッツミルクという感じです。)
- ホアガティ(上部・ドロドロ)→炒めて脂を分離させて、ペーストと一体化させる用・煮込む用の両方。
- ハンガティ(下部・サラサラ)→食材を煮込む用
このココナッツミルクの使用方法はグリーンカレーだけでなく、全てのタイカレーに共通しているので覚えておいた方がいいでしょう。(家庭でタイ料理を作るマニアックな方だけ。)
今度、ココナッツミルクを購入した際に確認してみてください。
上部がホアガティ、下部がハンガティになっているはずです。
一体化している場合は、冷蔵庫に入れておくとわかりやすくなります。(※ホアガティが固まって、やや使いにくくなりますので注意)
食べ方
グリーンカレーと一緒によく食べられている食材を紹介しておきます。
色んな食べ方がありますが、個人的にオススメはご飯類。
グリーンカレーが辛く、甘みを感じるものが合うためです。
プリックゲーンキアオワーン(グリーンカレーペースト)
- プリック→唐辛子
- ゲーン→タイカレー・煮込み料理全般
- プリックゲーン→ペースト
- プリックゲーンキアオワーン→グリーンカレーペースト
グリーンカレーペーストについても解説しておきますね。
ゲーンキアオワーンの美味しい店はペーストも自家製で香りのパンチ力も別格。(その分、さらに好みが別れる可能性もあり)
グリーンカレーペーストに使用する基本の調味料、ハーブ、そしてスパイスは以下の通りです。
- グルア→塩
- ルークパクチー→コリアンダーシード
- イーラー→クミン
- ピウマックルー→コブミカンの皮(少量)
- プリックキーヌー→キダチトウガラシ(緑色)
- プリックチンダー→トウガラシ(緑色)の一種
- カミン→ウコン(クミンはタイ語でイーラー。ややこしい)
- ラークパクチー→パクチーの根
- カー→ガランガル(ナンキョウ)
- タクライ→レモングラス
- グラティアム→ニンニク
- ホムデーン→アカワケギ
- カピ→海老の発酵調味料
上記の食材を固くて、水分の少ないものから順番にクロックヒン(タイの料理用の石臼)で叩いていきます。
プリックキーヌーとプリックチンダーはどちらか一種でも構いません。
料理なので大枠を外さなければ、多少どれかが抜けていても問題ありませんし、逆に少し足しても問題なしです。
ちなみに他にも、
- プリックタイ→胡椒
- バイプリック→トウガラシの葉
- グラチャーイ→チャイニーズキー(フィンガールーツ)
などを入れるレシピもあります。
トウガラシの葉だけを潰して、水を足し、漉すことでグリーンカレー用の自然着色料にすることも可能です。
チャイニーズキーをペーストに入れない場合は、細切りにして具材とする場合もあります。
グリーンカレーペーストの本格レシピと作り方
ここからはゲーンキアオワーンの本格レシピと作り方を紹介していきます。
ただし一応、先に言っておきますが、グリーンカレーペーストを作ることをオススメはしません。
なぜなら面倒だから。というか無理ゲーです。
毎日タイ料理を作るガチ勢は別として、グリーンカレーで余ったハーブを日本料理で使用することがまずありません。
ならば、最初から市販のペーストを買うのがベストかなと。
レシピを見て「フムフム」と原材料を知る程度に考えておきましょう。
レシピ
- 塩:大さじ1杯
- コブミカンの皮:4切れくらい(小さじ0.5杯くらい)
- クミン:小さじ1杯
- コリアンダーシード:小さじ1杯
- 刻み生ウコン(無くても可):3g
- 刻みガランガル(ナンキョウ):大さじ2杯
- 刻みレモングラス:大さじ4杯
- キダチトウガラシ(緑):大さじ4杯
- プリックチンダー(緑):40本(不使用で、キダチトウガラシを追加しても可)
- 刻みニンニク:大さじ2杯
- アカワケギ:大さじ8杯
- カピ(海老の発酵調味料):大さじ1〜1.5杯
作り方
- レシピの上から順番にクロックヒン(タイの料理用の石臼)で叩いていきます。
- ペースト状になっていれば完成です。
クロックヒンの代わりに、ミキサーでも可能です。
水分の多い食材を最初に叩くと水気が出て、後半の食材が潰せなくなります。
グリーンカレーの本格レシピと作り方(本調理)
さて、ペーストができたところで、いよいよグリーンカレーの本調理に参ります。
今回はポピュラーな鶏肉グリーンカレーを紹介いたします。
レシピ
- 鶏もも肉:300g
- グリーンカレーペースト:大さじ3〜5杯(お好み量→入れれば入れるだけ辛くなるので注意)
- 細切りプリックチーファー(赤)(無くても可):0.5本(赤色の飾り担当)
- 細切りプリックチーファー(緑)(無くても可):0.5本(緑色の飾り担当)
- タイ茄子(茄子で代用):200g(一口サイズにカット→塩水に入れておく)
- スズメ茄子(茄子で代用):40g
- ホアガティ(濃いココナッツミルク):200g
- ハンガティ(薄いココナッツミルク):400g
- パームシュガー:大さじ1杯
- ナンプラー:大さじ7〜8杯
- コブミカンの葉:4枚(葉脈は取っておく)
- スイートバジル:20g
作り方
- 鍋でホアガティ(濃い方)の油を分離させていきます。(焦げないようによく混ぜながら)
- グリーンカレーペーストを入れ、ココナッツミルクと一体化させます。
- 香りがたったら、鶏肉を入れ少しだけ火を通します。
- ハンガティ(薄い方)を入れて沸騰させます。
- 少し煮込んで、鶏肉に火を通します。
- タイ茄子を入れ、火を通して固さを調整します。
- スズメ茄子を入れて、固さを調整します。(タイ茄子より後に入れる)
- ナンプラー、パームシュガーで味付けします。
- コブミカンの葉、スイートバジルを入れます。
- 味見して調整します。
- 盛り付けて、上からプリックチーファーを振りかけて完成です。
グリーンカレー【ゲーンキアオワーン】の関連料理
ここからは、余ったグリーンカレーペーストや食材で作れる料理を紹介していきます。
カオパットゲーンキアオワーン
- カオ→ご飯
- パット→炒める
カオパットゲーンキアオワーンとは【タイ風チャーハンのグリーンカレー味】です。
カオパットがタイ風チャーハンを指します。
簡単に言うと、通常のカオパットにグリーンカレーペーストを足したもの。
ココナッツミルクを入れて、やや水っぽくなる(おじや)パターンもあり。
具材にはスイートバジルやコブミカンの葉などを入れると、よりグリーンカレーっぽくなります。
ガイトートソースゲーンキアオワーン
- ガイ→鶏
- トート→揚げる
- ソー(ス)→ソース・タレ
ガイトートのタレがグリーンカレーソースという料理です。
ガイトートは【タイ風鶏唐揚げ】または【タイ風フライドチキン】といった感じとなります。
グリーンカレーソースは、通常のグリーンカレーより濃度と味付けが濃くしなければいけません。
ちなみにガイトートは、
- 鶏唐揚げ風→ガイトート
- チキンカツ風→ガイトート
で同じ表現になります。
カノムチーンゲーンキアオワーン
- カノム→お菓子
- チーン→中国
カノムチーンを日本語にすると【タイ風そうめん】といった感じになります。
カノムチーンはタイカレーと相性が良く、特にカノムチーンゲーンキアオワーンはタイ人に人気の料理です。
屋台では、カノムチーン(麺)にグリーンカレーを豪快にぶっかけて食べるスタイル。
レストランだと分けて提供されることが多いですね。
カノムチーンゲーンキアオワーンにかけるグリーンカレーは、なぜかわかりませんが、具材が少し特殊になることが多いです。
- ティンガイ→鶏の脚
- ルアットガイ→鶏の血を固めたプリン状のもの
- タップガイ→鶏レバー
- ルークチン→練り物ボール
- ノーマイ→筍(たけのこ)
【MAMA(ママー)】ゲーンキアオワーン味
ママーとはタイで最も有名なカップラーメン、インスタント食品の名前です。
ママーゲーンキアオワーンは、グリーンカレー味のカップラーメン(インスタント麺)ということ。
特にタイ人に人気の商品です。
グリーンカレー【ゲーンキアオワーン】のまとめ
いかがでしたか。
グリーンカレーのことだけを網羅して解説してみました。
タイ料理好きな方でも、知らなかったことが多かったのではないでしょうか。
もしタイ料理超マニアックの方は、この記事を参考にして、オリジナル自家製グリーンカレーペーストに挑戦してみてください。
そして気にせず気軽に作ってみたい方は、市販のグリーンカレーペーストを使用して自宅でグリーンカレーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
料理は無限大です。食材も自由。
長文読んでいただきありがとうございました。