- ナムプリックとは
- ナムプリックを20種類紹介
- 日本人に食べやすいナムプリックのおすすめランキング7種類
- ナムプリックプラートゥーの本格レシピと作り方
この記事では上記のことを解説していきます。
ナムプリックを日本語にすると【タイ風ディップ】といった感じです。
タイの家庭料理で、とても愛されている人気のタイ料理。
ナムプリック屋台はタイ全土にあり、どこでも買うことができます。
ナムプリックには非常に多くの種類が存在します。
しかし普通は、日本人(あなた)にとって食べやすいナムプリックと、向いていないナムプリックの区別がつかないですよね。
食べてはみたいけど、買ったことがないという方も多いのではないでしょうか。
この記事前半ではナムプリックの基本解説。
後半ではナムプリックの種類と日本人にオススメのナムプリックの紹介をしていきます。
8年間タイに住んでる時、何度もナムプリックに泣かされてきた僕が自信を持って解説してみます。
ぜひ参考にしてみてください。(しっかりついてきてくださいね。)
それではいきましょう!!!
タイ料理【ナムプリック】タイ風野菜のディップの基本解説
タイ語 | น้ำพริก |
---|---|
辛さ | レシピ次第(基本辛い) |
クセ | レシピ次第 |
ナムプリックとは
- ナム→水
- プリック→唐辛子
ナムプリックを日本語にすると【タイ風ディップ】といった感じになります。
野菜をディップして食べるので、【タイ風つけ味噌】とも言えるかもしれませんね。
辛いナムプリックがほとんどなので、辛いのが苦手な方は注意しましょう。
また、「ナムプリックゲーン」はタイカレーペーストのことを指し、全く別物となりますので気をつけてください。(この場合「ナム」は省略されることが多い。)
つまりタイ人的に、ナムプリックとは「ペースト」という意味なのかもしれません。
さて、ナムプリックは、タイ人に絶大な人気を誇るタイ料理です。
もはや国民食と言っても過言ではないでしょう。
タイ全土のタイ料理屋や屋台で食べることができます。
おすすめは観光客向けのタイ料理屋でのナムプリック。
理由は以下の通りとなります。
- そもそも観光客が食べやすいナムプリックしかメニューにおいていない。
- 辛さを抑えている。
タイ在住者の方はこの記事後半にオススメのナムプリックも紹介しているので、参考にしてみてください。
ペースト系
ナムプリックには多くの種類があります。(一説によると30種類以上あるとも。)
その中でも最も多いのがペースト系のナムプリックです。
しかし調理法にはいろいろありますので、紹介しておきます。
- 炒める(e.g. ナムプリックパオ)
- 石臼で叩く(e.g. ナムプリックカピ)
- 茹でて煮詰める(e.g. ナムプリックプーナー)
さらにペースト系でも荒いペーストやドロドロのペーストまで様々です。
元々、ナムプリックは家庭料理なので、作り人によってもかなり違います。
粉末系・乾燥系
粉末系のナムプリックの種類はあまりありませんが、タイ旅行の際のお土産によく買われています。
例えば以下のようなナムプリックがあります。
- ナムプリックナローク(ナローク→地獄:粉末のナムプリック)
- ナムプリックガークムー(ガーク→無駄な:豚の脂身のナムプリック)
ここでナムプリック一種の派生で、色んなナムプリックを作ることができる例を紹介しておきます。
例えば、
- ナムプリックナロークプラーヘーン→魚粉
- ナムプリックナローククンヘーン→乾燥海老の粉末
- ナムプリックナロークメンダー→タガメの粉末
好みのものはお土産にいかがでしょうか。
食べ方
ナムプリックは野菜にディップして食べると解説しましたが、実は他にも色んな食材と一緒に食べることがあります。
例えば以下の通りです。
一応、ナムプリックと一緒に食べる野菜の例もしておきますね。
- ノーマイ→筍(たけのこ)
- グラチアップ→オクラ
- トゥアファックヤーオ→ナガササゲ
- テンクワー→きゅうり
- マクアポ→タイ茄子
- マラ→タイのゴーヤ
- ファックトーン→かぼちゃ
- ガラムプリー→キャベツ
- パックチョイ→チンゲンサイ
ナムプリックを食べる際の注意点
特に屋台でナムプリックを購入する際の注意点となります。
ナムプリックは非常に種類が豊富です。
さらに名前にも馴染みのない単語が羅列するので、地方の屋台で日本人がナムプリックを注文する際はとても苦労します。
「とりあえず何でもいいや」と注文して失敗してしまったという方も多いのではないでしょうか。
種類は豊富なのに、日本人の口に合うのは少ないという印象です。
以下のような理由があります。
- 基本的にとても辛い。(お腹を壊すレベルで。)
- ほとんどのナムプリックにカピ(海老の発酵調味料)が入る。(好みが激しい)
- プラーラ(子魚の発酵調味料)が入っている場合、非常に腐りやすい。
辛くないナムプリックを見たことがありませんので、辛いのが苦手な方は必ず注意しましょう。
日持ちすると言われているナムプリックですが、正直僕は何度も怪しいナムプリックでお腹を壊してきました。
なぜか。プラーラがとても腐りやすいから。
プラーラというのは魚の発酵調味料のことです。
プラーラを入れる入れないは屋台(作り手)によるので、買うときはわからないんです。
食べる前には腐っていないか必ず確認しましょう。安全第一ですよ。
腐るとマジでとんでもない匂いを発します。やばいです。
おすすめは
- 早朝に購入して、朝のうちに食べる。
- 夕方からの営業をしている屋台で購入しその日のうちに食べる。
となります。
日に一日中当たっている屋台で、夕方に購入は危険ということですね。
最初に戻りますが、以上のことからナムプリックは、観光客向けのタイ料理屋で食べましょうとどうしてもなっちゃいます。あとは自己責任です。
ナムプリックの種類
ザックリと20種類紹介
ここからはナムプリックの種類紹介をしていきます。
次章で日本人にオススメのナムプリックをランキング形式で紹介。
まずは僕の知るナムプリックを一挙紹介です。
- ナムプリックオーン(タイ風ピリ辛トマトミートソース:ペースト系)
- ナムプリックヌム(ヌム→柔らかい:焼き青唐辛子のナムプリック:ペースト系)
- ナムプリックパオ(パオ→焼き目をつける位焼く:干し海老のナムプリック:ペースト系)
- ナムプリックプラートゥー(グルクマのナムプリック:多種)
- ナムプリックプラーチョン(雷魚のナムプリック:ペースト系)
- ナムプリックロンルア(ロンルア→船に乗る:甘い豚肉と柑橘類のナムプリック:ペースト系)
- ナムプリックプーナー(田蟹のナムプリック:ペースト系)
- ナムプリッククンシアップ(燻製串海老のナムプリック:ペースト系)
- ナムプリックカー(ナンキョウのナムプリック:中間)
- ナムプリックキーガー(キーガー→カラスのフン:なぜこんな名前に……:ペースト状)
- ナムプリックマムアン(未熟マンゴーのナムプリック:ペースト系)
- ナムプリックマクアテート(トマトのナムプリック:ペースト系)
- ナムプリックターデーン(直訳→赤い目:炒った唐辛子:ペースト系)
- ナムプリックカピ(カピとスズメ茄子のナムプリック:ほぼ液状)
- ナムプリックプラーラ(プラーラ→小魚の発酵調味料:ペースト状)
- ナムプリックメンダー(焼きタガメのナムプリック:ペースト状)
- ナムプリックプラーヤーン(焼き魚のナムプリック:ペースト状)
- ナムプリックマカーム(タマリンドのナムプリック:ペースト状)
- ナムプリックナローク(ロック→地獄:辛い魚粉のナムプリック:粉状)
- ナムプリックガークムー(ガーク→無駄:豚の脂身をカリカリ揚げたナムプリック:乾燥系)
ザックリとまとめて紹介しましたが、この中には地方でしか食べれないものもたくさんあります。
そして正直、作り方は人それぞれ。
粉状とペースト系の中間もあれば、同じナムプリックでも炒める時もあれば叩くだけの場合もあったりします。
ついでに言っておきますと、基本のナムプリックに食材を足したものはリストから外しています。
無限に紹介しなくてはいけなくなってしまうためですね。
ナムプリックパオ+クン(海老)=ナムプリックパオクン
日本人にオススメのナムプリック7種
ここからは日本人にも食べやすくて、人気のあるナムプリックをランキング形式で紹介していきます。
1.ナムプリックパオ
タイ語 | น้ำพริกเผา |
---|---|
辛さ | |
クセ | なし |
- パオ→強火で炙る
ナムプリックパオは日本人に最も合うナムプリックです。
辛さはピリ辛程度となります。
日本では一般的に「チリインオイル」とも呼ばれ、タイの万能調味料として大人気です。
元々はナムプリックの一種ということを知っていた方は多くはないはず。
食べるラー油風に、ご飯にかけて食べることもできます。
2.ナムプリックオーン
タイ語 | น้ำพริกอ่อง |
---|---|
辛さ | |
クセ |
- オーン→タイ北部方言
ナムプリックオーンは日本語にすると【タイ風トマトミートソース】といった感じです。
日本人に人気のナムプリックナンバー2。(ですよね?)
比較的辛くない方のナムプリックで、日本人ウケがいい理由の一つでしょう。
トマトの甘みでカピやトゥアナオ(タイの乾燥納豆)のクセも柔らかくなっています。
タイ北部やタイ北部料理屋には必ずありますので、タイ旅行の際にはぜひお試しください。
3.ナムプリックロンルア
タイ語 | น้ำพริกลงเรือ |
---|---|
辛さ | |
クセ |
- ロン→降りる
- ルア→船
- ロンルア→船に乗る
「ロンルア」というのは「船に乗る」という意味なのですが、船の保存食となっていたことからこの名がついたようです。
なムプリックロンルアの特徴は2点です。
- ムーワーンと呼ばれる甘く煮詰めた豚肉を使用。
- ガルニシア(柑橘類)を使用する。
日本人に割と食べやすい方のナムプリックとなります。
4.ナムプリッククンシアップ
タイ語 | น้ำพริกกุ้งเสียบ |
---|---|
辛さ | |
クセ |
- クン→海老
- シアップ→刺す
クンシアップという燻製串海老を使用したナムプリックです。
クンシアップは直訳すると「串海老」なのですが、料理名とすると燻製串海老となるとのこと。謎が多いですね。
ナムプリックパオと作り方は似ていますが、ナムプリッククンシアップの方が辛いです。
そしてナムプリックパオより大きめの海老を使用します。(ナムプリックパオは桜えびくらいの大きさ)
ナムプリッククンシアップの方が油も少なめとなります。
5.ナムプリックカピ
タイ語 | น้ำพริกกะปิ |
---|---|
辛さ | |
クセ |
- カピ→海老の発酵調味料
カピというのは海老の発酵調味料です。
ナムプリックカピと言いますが、そもそもほとんどのナムプリックにカピは入っています。
では何が他のナムプリックと違うのかというと、
- マクアプアン(スズメ茄子)を使用する。
- マナオ(タイのライム)で酸味をかなり入れる。
という点です。
そして他のナムプリックパオよりサラサラで、ペーストというよりは液体状でもあります。(もちろんレシピにもよりますが。)
6.ナムプリックポンプラートゥー
タイ語 | น้ำพริกปลาทู |
---|---|
辛さ | |
クセ |
- プラー→魚
- プラートゥー→グルクマ
揚げたグルクマという魚を使用したナムプリックです。
グルクマは鯖(サバ)の仲間なのですが、見た目は鯵(アジ)に似ています。
タイで売られているグルクマは塩茹でされているので、そもそも酒の肴にピッタリです。
ナムプリックにする際は、揚げて骨抜きにしたものを使用します。
日本でも他の魚で代用して、オリジナルの「ナムプリック(魚名)」を作ってみてはいかがでしょうか。(レシピは後述)(おそらく脂身の少ないものがいいかなと思います。)
ナムプリックポンプラートゥーは、クセは少ないですが、その代わり結構辛いので気をつけましょう。
7.ナムプリックヌム
タイ語 | น้ำพริกนุ่ม |
---|---|
辛さ | |
クセ |
- ヌム→柔らかい
ナムプリックヌムは、焼いた大きい緑色の唐辛子をナムプリックにします。
「プリックヌム」という種類の唐辛子を使用。
ナムプリックでは珍しくカピを使用ません。
クセはなく食べやすいのですが、シンプルに唐辛子の味でとても辛いです。
辛いのが苦手な方は注意してください。逆に辛いの好きにはもってこいのナムプリックです。
ケップムーとの相性が非常にいいので、ナムプリックヌムを食べる際には、セットでケップムーも一緒に食べましょう。(タイビールも忘れずに。)
ナムプリックの本格レシピと作り方
ここからはナムプリックの本格レシピと作り方を紹介していきます。
ナムプリックは香りが重要なので、できればクロックヒン(タイの料理用の石臼)を使用した方がいいです。
ただタイ料理をよく作る方に限ります。そうでない方は少しもったいないかなと。
まぁ一応、キッチンのインテリアにもならなくはないですがね。
今回はナムプリックポンプラートゥーのレシピです。
レシピ
- グルクマ(鯵の塩茹ででも可):2匹
- アカワケギ(赤玉ねぎでも可):3個
- ニンニク:4片
- 生唐辛子(粗いこな唐辛子でも可):5本
- ナンプラー:大さじ1杯
- 塩:味の調整用
- ほんだし(味の素でも可):味の調整用
作り方
下準備準備
- お好みの野菜を茹でる、もしくは蒸しておきます。(冷めてしまってもOK)
- タイのグルクマを使用する場合は基本、塩茹でされているのでそのまま揚げます。(多少揚げ目がついた方がいい)
- 鯵を使用する場合は、一度強めの塩で塩茹でしてから揚げます。
- 頭、内臓、トゲ等はしっかりと外しておきます。
本調理
- ニンニク、アカワケギ、生唐辛子を焼き目がつくまで炒ります。
- 石臼に移して、しっかりと叩きます。
- グルクマの身を皮ごと入れてしっかりと叩きます。
- ナンプラーを入れます。
- 味見して、塩とほんだしで味を調整します。
- 野菜と一緒に盛り付けて完成です。
タイ料理【ナムプリック】タイ風野菜のディップのまとめ
いかがだったでしょうか。
一つの料理でこんなにも種類が豊富なタイ料理は、他にあまりないのではないでしょうか。
僕自身、まだ食べたことのないナムプリックが他にもたくさんあります。
タイ旅行の際には、注意しながらぜひ一度挑戦してみてください。
また新たな発見があるかもしれません。
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