- パットガパオ(ガパオライス)とは
- パットガパオの本格レシピと作り方
- パットガパオの種類
この記事では上記のことを解説していきます。
パットガパオとはいわゆる【ガパオライス】のことです。
日本のタイ料理屋ならどこにでもあるであろう王道かつ定番のタイ料理だと思います。
もちろん、タイでも超定番料理です。
日本人にとても食べやすくて人気のタイ料理となります。(おそらくトップクラスに認知度も高いでしょう。)
パットガパオは直訳すると【ホーリーバジル炒め】といった感じです。
実は、道端のタイ食堂において色んな注文ができます。
- 辛さ
- 目玉焼きトッピング
- ご飯の有無
など様々な注文ができることもまだ知られていないことが多いです。
つまりご飯なしでもパットガパオなので、正確に言うとガパオライスではありません。
記事前半ではパットガパオの基本解説。
後半ではパットガパオの本格レシピと作り方を紹介していきます。
料理について詳しく知るだけで、さらに楽しく、そしてさらに美味しく感じることができるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。それではいきましょう!!!
この記事は、基本的にタイにおけるパットガパオの解説しています。
日本でのガパオライスとは、少し異なる点があるかもしれませんので、あらかじめご了承ください。
タイ料理【パットガパオ】ガパオライスの基本解説
カタカナ表記 | パットガパオ・パッガパオ・ガパオライス |
---|---|
タイ語 | ผัดกระเพรา |
辛さ | |
クセ |
パットガパオ(ガパオライス)とは
- パット→炒める
- ガパオ→ホーリーバジル
パットガパオとは、いわゆる【ガパオライス】のことです。
パットガパオを直訳すると【ホーリーバジル炒め】といった感じでしょうか。
ガパオ(ホーリーバジル)を使用したタイおかず料理。
実はご飯がなくてもパットガパオです。つまり正確にいうとパットガパオ=ガパオライスではありません。
日本人にも大人気の料理で、知名度もタイ料理の中ではトップクラスでしょう。
タイでガパオライスを食べ歩いている方も少なくありません。
ただしとても辛いので、辛いのが苦手な方は注意しください。
お手軽料理なので、タイでも日常的に食べられています。ビールのつまみやご飯と共に食べることが多く、濃い味のパットガパオが多いです。
パットガパオに使用する基本的な食材は以下の通りとなります。
- グラティアム→ニンニク
- プリック→唐辛子
- メインとなる具材(豚肉や鶏肉など様々)
- ガパオ→ホーリーバジル
- プリックチーファー→長くて、辛さの弱い唐辛子(レシピ次第)
- トゥアファックヤーオ→ナガササゲ(レシピ次第)
- プリックワーン→パプリカ(レシピ次第)
- カオポートオーン→ベビーコーン(レシピ次第)
タイ料理レストランだと他の食材を入れる店もありますが、タイ食堂で使う食材はこのくらいです。意外とシンプルだと思いませんか?
ただし、ホーラパー(スイートバジル)は使用しません。(重要なので後述)
そして、使用する基本的な調味料は以下の通りです。
- ソースホイナーンロム→オイスターソース
- ナンプラー→タイの魚醤
- ソースプルンロット→シーズニングソース(タイの出汁醤油)(レシピ次第)
- シーユーカオ→タイの醤油(レシピ次第)
- 味の素またはその他の化学調味料(レシピ次第)
と、これまたかなりシンプル。食堂が混んでいなければ、注文して提供されるまで5分もかかりません。
パットガパオは基本的にどこでも食べることができます。
- 屋台
- 道端のタイ食堂
- タイ料理レストラン
- コンビニ・スーパー
ガパオとホーラパー
- パット→炒める
- ガパオ→ホーリーバジル
- ホーラパー→スイートバジル
パットガパオ(パットガパオ)の「ガパオ」というのは「ホーリーバジル」のことです。
とはいえ、ホーリーバジルと聞いても、なかなかピンとこないかと思いますので解説していきます。
実はタイ料理において「バジル」というのは、大きく分けて2種類あります。
- ガパオ→ホーリーバジル(パットガパオに使用)
- ホーラパー→スイートバジル(ジェノベーゼなどに使用)
タイでは2種類のバジルである「ホーリーバジル」と「スイートバジル」を明確に区別しています。
そのうちのホーリーバジル(ガパオ)を炒めた料理を、タイでは「パットガパオ」と呼んでいます。
味の特徴は
- 甘みのあるさわやかな香り
- ややフルーティーでお香のような香り
といった感じです。
ガパオのタイ料理での使用例は以下の通り。
- パットガパオ(ガパオライス)
- パットキーマオ(激辛酔っ払い炒め)
そして、スイートバジル(ホーラパー)は
などに使用されています。
そしてさらにさらに、ホーリーバジルかスイートバジルのどちらかを入れる料理も紹介しておきます。
- パットペット(レッドカレー炒め)
以上、色々と紹介してきましたが、覚える必要は全くありません。
タイ料理ではホーリーバジルとスイートバジルを使い分けているということを知ってもらえれば十分です。
タイの食堂でのパットガパオの注文方法
【メインの具材→ご飯の有無→目玉焼きの有無→辛さの指定】この順番で解説していきます。
それぞれ見ていきましょう。
メインの具材
パットガパオのメインとなる食材は、例えば以下の通りです。
- ガイ→鶏肉
- ムー→豚肉
- ムーサップ→豚挽き肉
- ヌア→牛肉
- クン→海老
- プラームック→烏賊(イカ)
- タレー→シーフード(主に海老と烏賊)
上記のパットガパオは、大体どこのタイ食堂にもあります。
メイン具材が豚肉ならば「パットガパオムー」。例えば烏賊なら「パットガパオプラームック」といった具合です。※その他少し珍しいパットガパオについては後半に紹介。
ご飯
ご飯あり(いわゆるガパオライス)
- カーオ(カオ)→ご飯
- ラート→かける
【ご飯ありのパットガパオ】を正確にいうと「カーオラートパットガパオ」となります。
カーオラートとは、いわゆる「ぶっかけ飯」のこと。というか、これこそが正真正銘ガパオライスです。
パットガパオとご飯はとても相性がいいです。(だから日本ではガパオライスが主流になったのですが。)
一食完結としてパットガパオを食べるなら、断然ご飯付きがオススメです。
【カーオラートパットガパオ】=【パットガパオラートカーオ】
ご飯無し(ガパオライスではない)
タイでは、ただ単に「パットガパオ」と注文すると、ご飯は付いてきません。
特にビールのツマミとする場合は、ご飯無しがオススメです。
パットガパオは濃い味で辛いので、タイビールともよく合います。
トッピング
目玉焼き
- カイ→卵
- ダーオ→星
- カイダーオ→目玉焼き
- ドゥアイ(デュアイ)→一緒に
カイダーオとは、つまり「目玉焼き」のことです。
「カイダーオドゥアイ」と注文すると「目玉焼き付き」という意味になります。
目玉焼きは、半熟かしっかり火を入れるかを聞いてくれる時もあります。(絶対ではないですよ。)
その場合、以下のように注文しましょう。
- 半熟→スック・ニット・ノーイ
- 黄身を固める→スック
- 完全に固める→スック・スック
タイの目玉焼きは基本、揚げ焼きで外淵がカリカリとなります。
個人的なオススメは「マイ・スック(半熟)」でトロンとした黄身が好きです。しかしやはりタイの食堂ですので自己判断となります。
安全策を取るならスック・スック(完全に火が入っている)目玉焼きとなります。
はい、ということで、ここまで理解できているでしょうか?ザッとおさらいしておきますね。
パットガパオ+豚肉+目玉焼き
→パットガパオ・ムー・ラートカーオ・カイダーオ(ドゥアイ)
玉子焼き
- カイ→卵
- カイチアオ→卵焼き
カイチアオを日本語にすると【タイ風玉子焼き】といった感じです。
カイチアオは基本的には揚げ焼きで、フチはカリカリ、サクサクになります。
メニューに記載されていない店もありますが、道端のタイ食堂ならばお願いすれば対応してくれるでしょう。通常のパットガパオに飽きた際はお試しください。
ちなみにカイチアオは、単体でのおかず料理としても注文できます。
辛さ
- プリック→唐辛子
パットガパオを注文する際は、唐辛子を本数指定するのがオススメです。
もちろん唐辛子・辛さに関して、何も言わなくても注文はできます。
その場合、大体一皿で唐辛子4〜5本程入れるのがタイの基本のようです。ただし普通の日本人にとっては辛すぎるでしょう。
「ペット・ノーイ(辛さ控えめ)」でも注文できますが、日本人とタイ人店員の感覚の差は、かなり違うので唐辛子の本数指定がオススメです。
辛いの苦手な方は、0.5本もしくは0本(無し)が良いかと思います。
以下のボックスはザックリとした日本人的な辛さの感覚とタイ語です。(僕個人の感覚ですので、あくまでも参考としてですよ。)
- 唐辛子入れない(全く辛くない)→ マイ・サイ・プリック
- 0.5本(ピリッと辛い) → プリック・クン・メット
- 1本(辛い) → プリック・ヌン・メット
- 2本(かなり辛い) → プリック・ソーン・メット
- 3本(とても辛い) → プリック・サーム・メット
- 4本(ギリギリ食べれるくらい辛い)→ プリック・シィー・メット
- 5本(流し込まないと食べれない) → プリック・ハー・メット
※パットガパオに使用するタイの唐辛子(基本は生唐辛子)は、日本の唐辛子よりかなり辛いので気をつけましょう。
さてここで最後にまとめておきます。
例①豚ひき肉のガパオライス(唐辛子なし)
→カーオラート・パットガパオ・ムーサップ・マイ・サイ・プリック
例②海老のパットガパオご飯なし(唐辛子1本)
→パットガパオ・クン・プリック・ヌン・メット
例③鶏肉のガパオライス目玉焼き付き(唐辛子0.5本)
→パットガパオ・ガイ・ラート・カーオ・カイダーオ・プリック・クン・メット
こういった感じとなります。最初はちょっと難しいですよね。
さらにタイでは「唐辛子を入れないで。」と、伝えたのにも関わらず、辛いことが多々あります。
例えば以下の理由が挙げられます。
- フライパンに前の料理の唐辛子が残った状態で作っている
- タイ語が伝わっていなかった
- 単純に店員さんのミス
ちょっと悲しくなりますね。詳しくはこちらです。
パットガパオ(ガパオライス)の本格レシピと作り方
シーズニングソースはタイの出汁醤油のことです。万能調味料で便利なので様々なタイ料理に使用します。ただし出汁醤油で代用できるので、まぁ必要に応じてかなという感じです。
レシピ
- お好みの肉類:400g
- ホーリーバジルの葉:50g
- 刻みニンニク:8粒
- 刻み生唐辛子:お好み量
- 刻み乾燥唐辛子(なくても可):お好み量
- ナンプラー:大さじ1杯
- シーズニングソース(出汁醤油で代用):大さじ1.5杯
- オイスターソース:大さじ3杯
- シーユーダム(醤油と砂糖で代用可):大さじ0.5杯
- 砂糖:味調整用
- 味の素(鶏ガラスープの素でも可):味調整用
作り方
- フライパンに油をしき、ニンニク、唐辛子を炒める。(中火)
- しっかし香りがしてきたら、お好みの肉類を入れます。(強火)
- 肉類にしっかり火が通ったら、一度火を止めます。
- ナンプラー、シーズニングソース、オイスターソース、シーユーダム、砂糖で味付けします。(強火)
- 火を強火にして再び炒めます。
- 味見して味を調整します。
- ホーリーバジルの葉を入れます。
- さっと混ぜて、ご飯と一緒に盛り付けて完成です。
ご飯がなければパットガパオ。ご飯付きでガパオライスです。
- 肉類を入れた後は強火で一気に炒めます。
- ホーリーバジルの葉は、一番最後に入れないと香りが飛んでしまうので注意。
パットガパオ(ガパオライス)の種類
パットガパオガイ
- ガイ→鶏肉
パットガパオガイは鶏肉のパットガパオのことです。
鶏肉とありますが、部位はどこと明確に決まっておりません。
基本的には鶏もも肉、鶏胸肉を使用することが多いです。さらに、鶏もも肉、鶏胸肉の両方が混ざっている店もあります。
パットガパオムー
- ムー→豚
パットガパオムーは豚肉のパットガパオです。鶏肉と同様に豚肉の部位は決まっていません。
しかしながら鶏肉よりも多くの部位や食材を使用することが多いです。
- パットガパオムーサンノーグ→豚のサーロイン
- パットガパオムーサンコー→豚ロース
- パットガパオムーサップ→豚ひき肉
- パットガパオムーサームチャン→豚バラ肉
とはいえ通常はパットガパオムーと言えば、その店の作り方、部位で作ってくれます。客側が部位を指定することはまずありませんのでご安心ください。(豚ひき肉か豚肉かは決めます)
パットガパオムークロップ
- クロップ→カリカリ食感
- ムークロップ→カリカリに揚げた豚バラ肉ブロック
ムークロップを日本語にすると【揚げたカリカリ豚】といった感じです。
パットガパオムークロップは、ムークロップを合わせたパットガパオになります。
パットガパオ界の中でもトップクラスに油の多いパットガパオです。
外のカリッとした食感と濃厚な脂身が特徴となります。
パットガパオムークロップが、ガパオライスの中で一番好きという方も少なくないはずですよ。
パットガパオクン
- クン→海老
パットガパオクンは海老を合わせたパットガパオのことです。
シーフード食材なので、豚肉などに比べて少しだけ値段が上がります。
ちなみにシャコ(ガン)のパットガパオもあり、その場合「パットガパオガン」となります。
パットガパオプラームック
- プラームック→烏賊(イカ)
パットガパオプラームックは烏賊を合わせたパットガパオのことです。
パットガパオタレー
- タレー→シーフード(海老+烏賊)
タレーとは「海」という意味です。しかし料理名でタレーと言うと「シーフード」という意味になります。
道端のタイ食堂でパットガパオタレーというと、ほとんどの店が「海老+烏賊」の組み合わせとなります。
そして、基本的にシーフード食材は豚肉や鶏肉に比べると少し値段が高くなります。
パットガパオヌア
- ヌア→牛
パットガパオヌアは牛肉を使用したパットガパオです。
タイの牛肉は少し臭いのですが、ガパオが臭み消しになってちょうどいい感じになります。
パットガパオヌアは高級なタイ料理レストランの中には、和牛を使用したパットガパオヌアワギューを提供する店もあります。
パットガパオムーパー
- ムー→豚
- パー→森
- ムーパー→猪(イノシシ)
パットガパオムーパーは猪のガパオライスとなります。
ムーパーとは「猪(イノシシ)」のことです。タイでも猪は食べられて、しかも普通ムーパーというと皮付きの猪肉となります。
肉質は少し固めなのですが、味がしっかりしてかなり食べ応えがあります。
あまり見かけないパットガパオなので、見つけた際にはぜひトライ。
パットガパオペット
- ペット→アヒル
パットガパオペットはアヒル肉を合わせたパットガパオのことです。
アヒル料理を日本で見かけることはあまりありません。しかしアヒルはタイでかなりメジャーな食材となります。
アヒルの独特の風味と食感がガパオとよく合うのでオススメです。
パットガパオカイイヤオマー
- カイ→玉子
- イヤオ(イサーン方言)→小便
- マー→馬
- カイイヤオマー→ピータン
カイイヤオマーとは、いわゆる「ピータン」のことです。
パットガパオカイイヤオマーはピータンのパットガパオとなります。
カイイヤオマーを直訳すると「馬の小便玉子」という意味。他国から来た食材が偶然そういう意味になってしまっているようです。
ただしそういった発音に偶然なってしまったのであれば普通、徐々に変わっていきそうな気もしますが……そこはアメイジングタイランドということで。
パットガパオホイラーイ
- ホイ→貝
- ラーイ→縞々(しましまライン)
- ホイラーイ→あさり
パットガパオホイラーイは、アサリを合わせたパットガパオのことです。
タイでアサリは炒め物によく使用されます。そしてアサリ料理のほとんどが辛い料理となります。
例えば、
といった感じになります。上記の中で一番有名な料理は、パットホイラーイ(アサリのバジル炒め)かと思います。
そして全て辛い料理なので、辛いのが苦手な方はご注意ください。
しかし辛くて濃い味が多いので、とてもビールと合います。タイビール好きは全て要チェック料理です。
その他
これまでに紹介してきたパットガパオ以外にも、まだまだ多くの種類が存在します。
全部を紹介することはできませんが、その一部を紹介しておきます。
- パットガパオカイオーン→キンカン卵
- パットガパオネーム→タイ風発酵豚肉ソーセージ
- パットガパオヘッドファーン→フクロダケ
- パットガパオタップムー→豚レバー
もし食べたことがないパットガパオがあれば、ぜひトライしてみてください。
パットガパオ料理【応用編】
ここからは基本のパットガパオとは違い、応用のガパオ料理を紹介していきます。
ガパオカレーライス
パットガパオをカレーライスに乗せたものです。要するにカレーライスのパットガパオトッピングといった感じでしょう。
スパイスの辛さとパットガパオの香りとフレッシュ感がたまりません。
作ってみましたが、本当に美味しいのでタイ料理好きにはぜひ作っていただきたい料理の一つとなります。(というか、まずいわけないですよね。)
カオクルックガパオ
- カオ(カーオ)→ご飯
- クルック→混ぜる
カオパット(タイ風チャーハン)のガパオ入りです。ガパオライスをそのまま炒めた料理となります。
名前は「カオパットガパオ」でもいい気がしますが、タイで多く呼ばれているのは「カオクルックガパオ」です。(そういう料理名だということ。)
ただし、店によってはカオパットガパオとネーミングしている店もあります。(顔なじみの店であれば、もはやどっちでも通じます。)
メインの具材は
- ムー→豚肉
- ガイ→鶏肉
- クン→海老
といった感じで、パットガパオと同様に選択可能です。
タイ料理【パットガパオ(ガパオライス)】のまとめ
パットガパオとは、いわゆる【ガパオライス】のことです。
ただしご飯がなくてもパットガパオなので注意しましょう。
そして、ガパオには必ずホーリーバジルが入るということも覚えていただけたら最高です。
パットガパオはタイ人、日本人問わず、とても人気のタイ料理。
とても辛いので、辛いのが苦手な方は気をつけましょう。
今回紹介してきたパットガパオ以外にも、店によって食材や応用ガパオ料理はいくらでもあると思います。味付けや食材も店それぞれです。
タイ旅行の際は、好みのガパオライスを探してみるのも楽しそうですね。
そしてご自宅で、オリジナルのガパオライスを作ってみてはいかがでしょうか。