- パネーンとは
- パネーンとレッドカレーの違い
- 自家製パネーンペーストの本格レシピと作り方
この記事では上記のことを解説していきます。
パネーンとは日本語にすると【ピーナッツ風味のドロドロタイカレー】といった感じになります。
スープ料理のようなサラサラのカレーの多いタイカレーですが、パネーンは日本カレーに似たトロミがあります。
日本人にも比較的食べやすいとされてるタイカレーの一つ。
しかし日本ではまだ、あまりメジャーではありません。
実はパネーンに似たタイカレーにレッドカレーという料理があり、あまり知られていませんが、両者には明確な違いがあります。
この記事前半ではパネーンの基本解説。
後半では自家製パネーンペーストの本格レシピと作り方を紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
それではいきましょう!!!
タイカレー【パネーン】の基本解説
タイ語 | พะแนง |
---|---|
辛さ | |
パクチー | あり(パクチーの根・コリアンダーシード) |
パネーンとは
- パネーン→料理名
パネーンを日本語にすると【ピーナッツ風味のドロドロタイカレー】といった感じです。
「パネーンカレー」や「パネン」と呼ばれることもあります。
トロミがしっかりついて、ドロドロなので日本カレーのようにご飯と食べることが多いです。
もちろんタイにも、ご飯にかけて食べるぶっかけ飯スタイルもあります。
比較的、日本人にも食べやすいタイカレーとされているタイカレーの一つです。
日本カレーは小麦粉でトロミをつけるのですが、パネーンはホアガティ(濃厚なココナッツミルク)を多く使用することでトロミを出します。
パネーンは一般的にタイ南部のカレーと言われていて、諸説ありますが、とにかくタイに伝わった時の名残でパネーンと呼ばれているようです。
そのことから、「パネーン」という単語にタイ語としての意味はなく、単に料理名として使われます。
具材としての特徴
肉類
パネーンは肉を楽しむ料理とされていてメインは肉類。
主に以下の3種類が使用されます。
- パネーンムー→鶏肉
- パネーンガイ→鶏肉
- パネーンヌア→牛肉
基本的には薄切りにされることが多く、長い時間煮込むことはしません。
ピーナッツ
パネーンの具材としての最大の特徴がピーナッツになります。
パネーンにおける、ピーナッツを使用する方法は以下の3パターン。
- ピーナッツを砕いて、本調理時に使用する。→ピーナッツの風味、食感がしっかりする。
- 細かく砕いて、パネーンペーストを作る際に混ぜてしまう。→ピーナッツ風味
- ペーストに入れて、調理時にも入れる。
荒く砕いて、本調理時に使用するとピーナッツの食感が増し、砕く荒さによってトロミを変えることができます。
荒く砕けば砕くほど、トロミは変わりません。
逆に砕く際に細かければ細かいほど、トロミをつけることができます。
ハーブ類
肉を楽しむための料理と言いましたが、一応ハーブも入れます。
基本的には以下の2種類です。
- バイマックルー→コブミカンの葉
- プリックチーファー→大ぶりであまり辛くない唐辛子
上記のハーブを細切りにして入れます。
煮込むというより、料理の最後に投入する、もしくは盛り付け後に上から振りかけるといった感じで使用されます。
その他、マクアプアン(スズメ茄子)と呼ばれる直径1cmくらいのタイの茄子を入れることもあります。
ココナッツミルクの特徴
- ガティ→ココナッツミルク
- ホアガティ→濃厚なココナッツミルク
- ハンガティ→薄いココナッツミルク
まずガティ(ココナッツミルク)には大きく分けて2種類あります。
- ホアガティ:脂分が多く、ドロドロ(容器の上部にたまる)
- ハンガティ:脂分が少なく、サラサラ(容器の下部にたまる)
タイカレーの粘度(ドロドロ感)は、ココナッツミルクの使い方で変える事ができます。
パネーンはご飯にかけて食べられるくらいの粘度ですので、他のタイカレーに比べてホアガティ(濃)の比率が高めとなります。
逆にグリーンカレーやレッドカレーは、ホアガティ(濃)とハンガティ(薄)の比率をパネーンと比べるとハンガティ(薄)の比率が高めです。
ちなみに日本式カレーは、小麦粉でトロミをつけています。
- パネーン→ココナッツミルクでトロミを出す。
- 日本式カレー→小麦粉でトロミをつける。
今度ぜひスーパーで、パネーンとカレールーの裏表示を見比べてみてくださいね。
食べ方
- カオ→ご飯
- ラート→上からかける
- カオラート→ぶっかけ飯
パネーンでオススメの食べ方は、ご飯にかけて食べるぶっかけ飯スタイル。
つまり日本式カレーのような食べ方です。
ご家庭でしたら、卵焼きや目玉焼きをつけてもいいかもしれませんね。
パネーンとレッドカレーの違い
- ゲーン→煮込み料理全般・タイカレー
- ペット→辛い
- ゲーンペット→レッドカレー
ゲーンペットとは、いわゆる【レッドカレー】のことです。
レッドカレーは、日本でも有名なタイカレーの一つ。
パネーンとよく似ていて、違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。
しかし実は明確な違いが存在するんです。
ここではパネーンとレッドカレーの違いについて解説していきます。
まずその前に知っておいた方がいいのは、タイのタイ料理レストラン、タイ食堂での英語表記です。
- パネーン→Red Curry
- レッドカレー→Red Curry
えっ!?
そう。同じです。※タイ語表記では別料理扱いなのに。
写真があれば問題ないですが、タイ語が読めないと困ってしまいますよね。
そんな時のために、タイ語表記をしておくので、タイ旅行の際に指差しで使ってみてください。
- パネーン→พะแนง
- レッドカレー→แกงเผ็ด
普通の観光客の方は、両方とも「Red Curry」でいいと思います。
ただこのブログを見ている方はマニアックな方が多いと思いますので、ショックを受けないためにも知っておいた方がいいでしょう。
プリックゲーン(ペースト)の違い
- プリック→唐辛子
- ゲーン→煮込み料理全般・タイカレー
- プリックゲーン→タイカレーペースト
- ペット→辛い
プリックゲーンというのは「タイカレーペースト」のことを指します。
つまり「プリックゲーン〜」で「〜カレーペースト」ということです。
- (ナム)プリックゲーンパネーン→パネーンペースト
- (ナム)プリックゲーンペット→レッドカレーペースト
となります。※ナムは省略可能
基本をレッドカレーペーストとすると、パネーンペーストは以下の食材を追加して作ります。
- ラークパクチー→パクチーの根(レッドカレーペーストに入れる場合もある)
- メットパクチー→コリアンダーシード
- イーラー→クミン
- トゥアリソン→ピーナッツ
上記の中で一番わかりやすい違いはピーナッツです。
一応、念の為まとめておきます。
パネーンペースト=レッドカレーペースト+コリアンダーシード+クミン+ピーナッツ
もし自作する場合は、レッドカレーペーストにピーナッツ、乾燥スパイス共に粉末状にしてから混ぜてみてください。
ちなみにレッドカレーペーストは、その他タイカレーのペーストの基本にもなります。
最もシンプルなタイカレーペーストといってもいいでしょう。
レッドカレーペーストから食材を足したり、引いたりしてそれぞれのタイカレーペーストになるんですね。
具材の違い
パネーンはレッドカレーより粘度が高い(ドロドロ)である事が多いです。(必ずとは言いませんが)
- レッドカレー:サラサラで煮込みスープ料理とも言える。
- パネーン:ドロドロでおかず料理とも言える。
さらに、パネーンは具材の切り方にも特徴があります。
- 肉類はスライス(火を通すだけであまり煮込みません。)
- コブミカンの葉の細切り(が多い)
- プリックチーファーの細切り(が多い)
もしレッドカレーとパネーンは何が違うのと聞かれた際は教えてあげましょう。
正直、タイ人でも言葉では説明できない方がいるくらいマイナーな差です。
チューチーとの違い
チューチーを日本語にすると【海鮮食材のレッドカレー煮込み】という感じです。
英語の方がわかりやすいのですが、「〜in Dry Red Curry」となります。
パネーンと見た目や味が非常によく似ています。
ただし、やはり違いはしっかりあります。
チューチーとパネーンとの違いは以下の通りです。
- レッドカレーペーストを使用する。(基本は)
- シーフード食材を使用する。
- ピーナッツを使用しない。(パネーンペーストを使用した場合、話は別)
自家製パネーンペーストの本格レシピと作り方
ここからは自家製パネーンペーストの本格レシピと作り方を紹介していきます。
ただ正直あまりお勧めできません。
非常に手間とお金がかかってしまうためです。
パネーンを食べたかったら、個人的にはレトルトかタイ料理屋がベストかと思います。
レシピ
- 塩:小さじ1杯
- コブミカンの皮:大さじ1杯
- ピーナッツ:大さじ2.5杯
- 唐辛子:20本
- 刻みガランガル:大さじ0.5杯
- 刻みレモングラス:大さじ6杯
- 刻みパクチーの根:大さじ3杯
- 刻みニンニク:大さじ2.5杯
- アカワケギ:大さじ6杯
- カピ(海老の発酵調味料):大さじ1杯
作り方
- レシピの上から順にクロックヒン(料理用の石臼)で叩いていきます。
水分のある食材を先に叩いてしまうと後半潰しにくくなるため注意しましょう。
ミキサーに食材を全部とココナッツミルクを少量入れて作ることもできます。
パネーンの本格レシピと作り方(本調理)
ペーストができたところで、やっとここから本調理です。
今回はパネーンムー(豚肉パネーン)を紹介していきます。
レシピ
- 豚肩ロース(スライス):500g
- 砕きピーナッツ:大さじ1杯(お好み量)
- プリックチーファー(細切り):大ぶりであまり辛くない唐辛子
- コブミカンの葉(細切り):5枚
- ホアガティ(濃い方):500ml(先300ml+後200ml)
- ハンガティ(薄い方):300ml
- パネーンペースト:大さじ2.5杯
- パームシュガー(砂糖でも可):1〜1.5杯
- ナンプラー:2.5〜3杯
作り方
- 豚肉を薄切りに、プリックチーファー、コブミカンの葉を細切りにしておきます。
- ピーナッツを細かく砕いておきます。
- フライパンにホアガティ(濃い方)300mlを入れ、脂を分離させます。(中火)
- パネーンペーストを入れて一体化させます。
- ホアガティ(濃い方)200mlを足してます。(濃度調整)
- 香りが立ってきたら、豚肉を入れて火を通します。
- ハンガティ(薄い方)を入れて沸騰させます。(濃度調整)
- パームシュガー、ナンプラーで味付けします。
- コブミカンの葉、プリックチーファーを入れます。
- 味見し、調整して完成です。
最初から最後まで中火で作ることができます。
タイカレー【パネーン】のまとめ
いかがだったでしょうか。
パネーンとレッドカレーの違いについて理解していただいたのであれば幸いです。
日本で作ることが難しいので、タイ旅行の際にはぜひ食べてみてください。
ただ、レトルトは日本でも簡単に購入できますので、自宅でタイカレーを食べて旅の思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。